ある日、若い女性が相談にやってきました。
最近どうも体の調子がおかしいから、なんとか良くなる方法はないかという内容でした。
見るからに不健康そうです。
「ずいぶん不健康そうですけど、何か心あたりはありますか?」
とたずねたところ、
「実は・・・無理なダイエットをしてしまったんです」と。
彼女はどんな無理なダイエット方法をとったのか?
どんなふうに変わり果ててしまったのか?
そして、どのようにして回復していったのか?
無理なダイエットのせいで、こんな悲惨な影響が
彼女の第一印象は、すごい痩せているということと、肌の色が悪いなということでした。
健康的でスリムな体型ではなく、病気で痩せ細ってしまったという感じでした。
さらに、肌の色がこげ茶色とでも表現したらよいのでしょうか、いかにも不健康な肌の色をしていました。
さらに、彼女の口から悲惨な症状が伝えられたのです。
最近髪の毛が抜けることが増えたこと。
生理不順になってしまったこと。
よく眠れなく(不眠に)なってしまったこと。
幸いなことに、ドカ食いして吐いて、またドカ食いしてまた吐いて、罪悪感、無気力などに陥ってしまうというような摂食障害にはなっていなかった様子でした。
今考えると、肌の色がこげ茶色っぽくなっていたのは、無理なダイエットのせいで肝臓のはたらきが狂ってしまったからだったのでしょうか。
それから、生理不順になってしまったのは、過激なダイエットのせいで、エストロゲンなどの女性ホルモンの分泌が狂ってしまったからでしょうか。
さらに、自律神経や全身のホルモン分泌がおかしくなったため、抜け毛や不眠にさいなまれてしまったのかもしれません。
どうやって回復していったのか
私は彼女に、本人が気づいている不調と本人が気づいていない不調をあらためて認識してもらいました。
そしてこのままだと、さらに体に悪影響があらわれてくる可能性があること、深刻な病気にかかってしまう可能性もあることなども伝えました。
彼女と一緒になってどうやったら回復してくのだろうかと考えました。そして、できることを実践していくことにしました。
まずは、不足しているであろう栄養素を補給することをはじめました。
健康的な髪の毛を取り戻すため、健康的な皮膚を取り戻すためには、その材料であるたんぱく質や脂質が必要になってきます。
また、たんぱく質や糖質や脂質などをうまく活かすためにはビタミンやミネラル、もしくは酵素とよばれる栄養素も必要になってきます。
そのような栄養素がたくさん含まれている食べ物として、次の食べ物を摂ってみないかと提案しました。
豆類、ごま、海藻類、野菜類、魚(特に背の青い魚)、フルーツ・果物など
幸い親御さんが積極的に強力してくれて、これらの食材を多く使った料理をよくつくってくれて、それらを食べるようにしました。
それから、体を動かすことの重要性を伝えたところ、理解してくれて、運動をはじめました。
元気がない、やる気がないときや感情が不安定なときは、本来脳内に分泌される物質が正常に分泌されていない可能性が高いです。
体を動かすことで脳内物質が正常に分泌されることが期待できます。
そこで、筋トレと有酸素運動(ウォーキング)を実践してみることをすすめました。
筋トレと聞くだけで、面倒と思ったり、抵抗がある人もいるでしょう。また、脚が太くなったり、腕が太くなったりするから嫌だと思っている人もいるでしょう。
実は、ここに間違った先入観をもっている人が多いのです。
多くの人が面倒だ、やる気がないから筋トレをやらないという流れになってしまいますが、
気持ちや気分に関係なく、数回でも数分でもいいから体を動かしてしまうのです。そうすると、やる気をだす物質が脳内に分泌されるようになり、もうちょっと続けてみようかなとなって、さらに続けるともっとやってみよう!となっていくのです。
つまり、体を動かすのが先で、気持ちや気分は後で感じるような流れにするのです。
これが運動を続けるコツです。
ここで紹介した方法は普通の地味な方法かもしれません。でも、彼女はコツコツとこの普通で地味な改善法を実践し続けました。
そのかいあってか、だんだんと体に良い変化があらわれるようになってきました。
やつれていた顔がふっくらと健康的な顔に変わってきました。
死んだような目にいきいきとした活力が戻ってきました。
肌の色が鮮やかな色に変わってきました。
髪の毛も抜けないようになってきました。
筋トレやウォーキングをしても脚は太くなりませんでした。
元気を取り戻し、笑顔も増えてきました。
やりたくてもできなかったことに挑戦してみることにしました。
こうして彼女は回復していき、本来の自然な姿を取り戻しました。
最後までごらんになっていただきありがとうございました。
あなたのお悩みが少しでも解決の方向に向かうことを願っています。