腹式呼吸と胸式呼吸の違いとはなんでしょうか?
どっちがいいのでしょうか?メリット、デメリットはあるのでしょうか?
私は現役セラピストとしての活動のなかで、腹式呼吸と胸式呼吸を自分なりに研究してきました。
今回は、その研究や試行錯誤から得た、腹式呼吸と胸式呼吸に関する知識や知恵をお伝えします。
腹式呼吸と胸式呼吸の違いとは?
腹式呼吸と胸式呼吸の違いとはなんでしょうか?
専門家によってさまざまな”違い”が説明されていますが、ここでは私なりの”違い”を述べます。
ところで、両方とも呼吸ということですから、肺で酸素と二酸化炭素を交換するという動作は共通しています。
では、どこに違いがあるのでしょうか?
私は肺の筋肉の一部がよりよく動く違いがあるのではないかと思います。
腹式呼吸の場合は、横隔膜が上下する動きが活発になり、それに伴って、肺の下の方がよりよく動く(より膨らむ)ようになります。
一方、胸式呼吸の場合は、肋骨や鎖骨の動きが活発になり、それに伴って、肺の上の方がよりよく動く(より膨らむ)ようになります。
このような違いがあげられると思います。
それから、腹式呼吸の場合は、自律神経の副交感神経をより刺激すると考えられます。
一方、胸式呼吸の場合は、自律神経の交感神経をより刺激すると考えられます。
なぜなら、副交感神経が集まっている箇所が背骨の腰のあたりにあり、腹式呼吸をすることでそのあたりに圧力加わると考えられます。
また、交感神経が集まっている箇所が背骨の胸のあたりにあり、胸式呼吸をすることでそのあたりに圧力が加わると考えられるからです。
腹式呼吸と胸式呼吸のメリット、デメリットとは?
では次に、腹式呼吸と胸式呼吸のメリットとデメリットは何かがあるのでしょうか?
まずは、腹式呼吸のメリットはどうでしょうか。
私が考えるメリットは、横隔膜が下がりやすくなり、それに伴って肺の下の方が膨らみやすくなり、その分酸素をたくさん体に取り入れやすくなることです。
それから、お腹の圧力が増えることによって、背骨にある副交感神経が集まっているところに刺激が加わり、副交感神経がはたらきやすくなり、リラックス状態になりやすくなるということです。
一方、腹式呼吸のデメリットはどうでしょうか。
私があげるデメリットは、胃などの内臓が下がってしまう(胃下垂など)可能性があるということです。
次に、胸式呼吸のメリットはどうでしょうか。
私が考えるメリットは、胸骨と肋骨でつくられる関節の動きがよくなり、肺の動きが制限されにくくなり、その分酸素をたくさん体に取り込みやすくなることです。
それから、少し胸を張るような姿勢になり、上がっていた肩甲骨が下がりやすくなり、体が自然な状態になりやすくなるということです。
一方、胸式呼吸のデメリットはどうでしょうか。
私があげるデメリットは、やり過ぎると頭がクラクラ、フワフワしてしまう可能性があるということです。
腹式呼吸と胸式呼吸、どっちがいい?
では、腹式呼吸と胸式呼吸、どっちがいいのでしょうか?
武道をやっているような人は、腹式呼吸がいいと言い、ヨガをやっているような人は、胸式呼吸がいいと言うかもしれません。
専門家の間では、意見が分かれると思いますが、私がおすすめするのは、
腹式呼吸と胸式呼吸を交互に両方行うやり方です。
もう少し詳しくいうと、
逆腹式呼吸と胸式呼吸を交互に行うというやり方です。
通常、腹式呼吸を行った場合、空気を吸うとお腹が膨れますが、
逆腹式呼吸では、これを逆にします。つまり、空気を吸うときに少しお腹をへこませておくという方法です。
実は、このように呼吸したほうが、体に余計な力が入りにくくなり、緊張しづらくなるそうです。
この方法になれてくると、こっちの方がしっくりきます。
さらにいわせてもらうと、
呼吸するときに、頭の真ん中あたりと下腹の奥の方を意識しながら行うとより効果が期待できます。
今回は、腹式呼吸と胸式呼吸の違いなどについてお伝えしました。
最後までごらんになっていただき、ありがとうございました。