くも膜下出血の後遺症で性格が変わってしまうことはあるのでしょうか?
家族の誰かが不幸にもある日突然くも膜下出血になってしまい、
その後遺症としてまるで性格が変わったような態度や行動をとるようになり、
周りの家族が困ったり、迷惑に思ったり、疲れ果ててしまうなんて状況に陥っている人たちがいます。
今回は、くも膜下出血の後遺症について、その一部をお伝えします。
くも膜下出血の後遺症で性格が変わることもある!?
結論からいうと、どうやらクモ膜下出血の後遺症で性格が変わってしまうことがありえるようです。
くも膜下出血の後遺症といえば、半身麻痺やろれつが回らないなど言葉の障害を思い浮かべる人が多いかもしれませんが、
性格、感情、記憶、知能、精神などへの影響もあるそうです。
思考、感情、記憶、知能、性格などのはたらきは、脳の機能というとらえ方ができます。
脳の前の部分は思考のはたらきがある、脳の横の部分は感情のはたらきがあるなど
脳の特定の部位でそれぞれのはたらきがあるといわれています。
脳のどこかの部位が物理的に損傷すれば、その部位の機能の一部に支障をきたすことは十分に考えられます。
感情のはたらきがある脳の部位が損傷した場合、怒りっぽい傾向がでたり、イライラしやすくなったりするかもしれません。
その他にも脳の損傷部位によって、物事を認識する能力がおとろえたり、判断する能力がおとろえたりするなど、
いわゆる人間の特徴であるさまざまなはたらきに問題が生じてくる可能性が高くなります。
専門家からの報告や体験談では、次のような具体的な変化がよくあらわれるようです。
- 急に怒りだす、急に泣き出す
- 暴言が目立つようになる
- 注意力、集中力が低下する
- やる気がなくなる、元気がなくなる
- だらしなくなる
- 行動が幼稚化する
- 人に依存することが増える
など
これらの変化から、性格が変わったようだと感じる場合が多いようです。
また、これらの症状がすすんでいくと、うつ状態や痴呆の症状もあらわれてくる可能性も高くなります。
なお、このような人間としての特徴である機能が障害を受けてしまうことを、高次脳機能障害とよばれています。
くも膜下出血の後遺症で性格が変わってしまい、周りの家族が困り果ててしまったような場合は、
高次脳機能障害を専門に支援してくれる機関がありますから、一度そちらに相談されてみてはいかがでしょうか。
くも膜下出血の後遺症として目の障害がおこる場合もある
くも膜下出血の後遺症として、目の障害もおこる場合もあります。
次のような障害が生じることがあるとされています。
- 視力低下、視力障害
- 複視、物が二重に見える
- 焦点をあわせずらい、ピントがあわない
- 眼瞼下垂、まぶたが下がってくる
- 斜視、片方の目が内側や外側にむいている
- 失明、目が見えない
いずれも、医師に相談し、医師による適切な処置、適切な治療を行ってくれたおかげで、
順調に回復する事例が多いようです。
一時的に、目が見えない状態になっても、その後医師による治療によって回復した事例もあります。
ちなみに、くも膜下出血の後遺症として、目に関する障害以外に次のようなものがあげられます。
- 運動麻痺
- 歩行障害
- 言語障害
- 尿失禁
- 認知症
- 高次脳機能障害
くも膜下出血になっても後遺症なしの場合もある
くも膜下出血になっても、まれに後遺症なしで完治する場合があるようです。
統計データとしては、くも膜下出血の生存率は33%くらいといわれています。
また、後遺症が発生する割合は、25%~30%くらいといわれています。
幸いにも後遺症が残らない人は、1~2%くらいといわれています。
後遺症が残らない人は、比較的症状の程度が軽度であった、医師による治療や処置が迅速で適切であったなどの理由があげられます。
ただし、幸いにも後遺症がなしの場合でも、再発の確率はけっこう高いそうなので、
日ごろの生活習慣を改めたり、くも膜下出血の前兆があらわれていないかどうか常によく観察する必要があります。
ちなみに、くも膜下出血の前兆として次のような症状があげられます。
- 頻繁に継続的に頭痛があらわれる
- 吐き気も伴う場合が多い
- 視野の異常がみられる
- 血圧が乱れる場合が多い
さいごに
くも膜下出血や脳梗塞などの脳血管障害は、突然発症してしまうケースが少なくありません。
自分は何の不調もなく健康だから大丈夫と過信せずに、日ごろから、高血圧、高脂血症などに気をつけて生活しなければいけないと改めて思いました。
以上、今回は、クモ膜下出血の後遺症に関して、主に性格の変化や目の障害などについてお伝えしました。
最後までごらんになっていただき、ありがとうございました。